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「あなた、誰ですか?初対面でそんなに人の事、笑うなんて失礼です!」 私は・・イケメンに苛立たしげに抗議した。 イケメンは・・何故か私の言葉に驚いたように目を大きく見開いた。 ・・そして・・腹立たしそうに口を開いた。 「は?何言ってんだ?お前の方がよっぽど失礼だっつうんだよっ!」 へ?・・失礼?・・失礼って・・この人は何を言っているのだろうか? イケメンとはたった今、会ったばかりで・・失礼なんて言われる筋合いなんて・・これっぽっちもなかった。 「私、あなたとは、たった今、会ったばかりで・・あなたに失礼な事した覚えありませんから――」 ――ひっ!・・な・・に?・・イケメンはいきなり腹立たしげに・・音が響く程、私が今まで顔を伏せていた机を叩いた。 「だから、それが失礼なんだよ。・・お前、自分の前の席の人間、良く忘れられるよな?それに・・お前さぁ、人が挨拶したら挨拶返すの基本だろうが?・・クスッ、ひょっとして・・お前って・・幼稚園児にも劣るんじゃねぇの?」 「・・・・・」 え~・・この超絶イケメン・・今朝の転校生だったの? ・・嘘・・ここまでカッコ良かった――いやいや、今はそんな事はどうでもいい・・幼稚園児にも劣るって・・・それはその通りだ。 いや、意識してわざと挨拶を返さないのだから・・幼稚園児よりも質が悪い・・幼稚園児に失礼かも知れない。 基本、私は人の名前も顔も覚える気がない。 顔を覚えてなかったからって怒られても・・・困る・・てか・・なんでイケメンがここにいる訳―― 「何とか言えよ!また、だんまりかよ」 ・・ムカつく・・なんなのこの男・・うざい。 それに・・なんでこんな上から目線なの?何様?・・気に入らない・・こんなヤツ大嫌い。 「もう、私に話かけないで、挨拶返さないのは私のポリシーだから」 ほんと・・二度と私に関わんないで欲しい・・私はイケメンを睨むようにして言った。 「・・はぁ?」 イケメンは鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔をして私を見てた。 これ以上イケメンに関わる理由のない私は・・本を手に椅子から立ち上がると図書室から出ようと出口に向かっ――うっ・・痛っ・・嘘・・イケメンが私の腕を掴んでた。 「おもしれぇ。お前、相当、屈折してね?お前みたいなヤツ、初めてだよ。暫くは退屈しなくて済みそうだわ。・・くくっ・・よろしくな・・美桜ちゃん」 「・・・・・」 うっ・・み、美桜・・ちゃん?・・嘘?・・なんでコイツが私の名前を知ってるの? ・・ゾッとした・・そんな呼び方されたのは久し振りだった。
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