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「じゃあな・・俺、先に行くわ。転校早々、授業サボんの不味いからな。お前も次の授業、遅れんなよ」
イケメンは涼しげな顔で背中を向けると片手を上げて図書室から出て行った。
私はイケメンが図書室を出て行った後、暫く呆然として動けなかった。
今しがたイケメンに美桜ちゃんて呼ばれた事が頭の中で何度もリフレインして気分が悪かった。
美桜ちゃん・・・嫌だ・・嫌だ・・嫌だ!
美桜ちゃんなんて二度と呼ばれたくない呼ばれ方だった。
私はこの呼ばれ方が大嫌いだ。
美桜ちゃんなんて呼ばれ方には嫌な思い出しかない。
久し振りに美桜ちゃんって呼び方をされて封印した筈の嫌な思い出が甦ってきた。
思い出したくもない・・・黒歴史だ。
それに・・何?
もう、二度と私に話かけないように言ったのに・・・暫く退屈しなさそうって・・どういう意味?
アイツの神経どうかしてるんじゃないの?
絶対・・嫌だ。
あんなヤツに美桜ちゃんなんて呼ばれたくない。
いや、呼ばせない!
今から完全無視だ。
私が今まで必死で作り上げてきた私の日常がアイツに脅かされそうな気がして嫌な予感しかしなかった。
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