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「ハイもう一度、休め!」
東条の練習は基本の基本からだった。全員が黙ってその指示に従った。堀越はビデオ撮影をしている。
「俺を絶対に写すなよ」
東条は堀越に鋭い目を向けた。
「大丈夫です! でも声が入ってしまいますけど」
「あたりめーだ」
東条が答えた。
その20分後、ようやく待機線から集合線まで「集まれ!」の号令で並ぶ練習に入った。
「全部の動きに番号を入れろ!」
と言うと、東条は実演して見せた。
「集まれで一、二だ」
「休め」の姿勢から「気をつけ」に入り両拳を脇腹にあてがう動作を見せた。さすがに切れのある動きだ。
「次に一、二、三、四で集合線まで行く」
「そして五、六で気をつけと整頓だ」
「最初は声を出してやってみろ!」
徐々に揃ってくる四人。それを見て分団員達も同じように練習をし始める。
「そうだ、皆でやって覚えろ」
その練習も20分ほどやった。
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