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カーテンを締め切った部屋で望遠鏡を覗き込む女。
薄暗い建物の隙間で煙草をくゆらせる男二人。
カミラM「オルキアの首都を二分するリネージュの壁は、南北冷戦の象徴であり……」
オルキア地図。白いエイルマーク占領地に浮かぶ青い半月型が、上空から見下ろした南リネージュの姿と重なる。
リネージュの壁。
南側。ポーンが佇む通りの先に、壁を背にした国境検問所(チェックポイント・トール)がある。詰め所の建物の横に遮断器付きの道路。
北側。壁に沿ってマンハンターと兵士が、北リネージュの街が広がる方向を向いて立ち並ぶ。
○南リネージュ・高台の墓地
キャメロン「あの壁は不正義の証だよ」
カミラ、フッと笑う。
カミラ「正義とか、そんな高尚な話かな。確かに北のやり方はまっとうじゃない。けど、これは人間がどれだけ苦しんでるかって話だ」
キャメロン「苦しみ、傷つく人間を君は見ていた」
カミラ「……(溜め息)。わかった。もう見過ごすことはしない」
キャメロン「感謝する。やはり、この世界には英雄が必要だ」
カミラ、反転して歩き始める。男たちと目を合わせず、すれ違う。
カミラ「英雄か」
と丘を下りながら呟く。
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