第1話『コールドスティール1981』

6/35
前へ
/98ページ
次へ
ラスキン「合流地点を設定した。一三〇〇、アライズヒル1階。往復切符だ」    ラスキンが事務机越しに封筒をスライドさせ、ジャックが受け取る。 ラスキン「これも忘れるな」    続けてディスクケースを机の上に滑らせ、寄越す。 ジャック「これは?」 ラスキン「察しろというのも酷だが、仕事だよ」 ○北リネージュ・アライズヒル    腕時計で一三〇〇近いのを確かめたジャック、みすぼらしい三階建てのホテルに入る。    ジャック、フロント台に紙幣をいくらか置く。    フロントで新聞を読んでいた主人(43)が間髪入れず部屋の札付きキーを置く。    ジャック、キーを掠め取る。    主人、紙幣を掠め取る。    ジャック、廊下の奥へ。突き当りで立ち止まり、裏口の鍵を開ける。 ○北リネージュ・裏通り 兵士A「まだ見つからんのか!」 兵士B「近くにいるのは間違いないかと」 兵士A「虱潰しだ!」    立て看板の脇で息をひそめるマクバード。    目の前をマンハンターが過ぎ去ったのを合図に、通りを一気に横断する。    狭い路地に駆け込み、ドアを開ける。 ○北リネージュ・アライズヒル    裏口から入ったマクバード、人影に驚いて構える。 マクバード「!」 ジャック「落ち着け」     
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加