あらすじ

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 有機装甲歩兵アンチキャバリア(AC)が活躍した第二次大陸大戦は1955年に終結を迎える。以来、敗戦国オルキアは勝者二国による分割統治にあっていた。北のエイルマーク帝国と南のアンバークラウン連合王国、両者の思惑によって分断される、領土と人々。南オルキア人が安寧を享受する一方、北オルキア人は圧政に苦しみ亡命を求める。終戦から四半世紀、不条理は依然として是正されず、両大国のエゴイズムに掻き消されていた。  南北冷戦の象徴こそは首都リネージュに聳える〈リネージュの壁〉である。壁の内外は北の秘密警察ヴァルチャーと南の諜報機関UI7が繰り広げる暗闘の最前線と化していた。  1981年冬、オルキア人の青年ジャックは妹ソフィアの平穏を第一に願いながら、UI7のスパイとして望まぬ戦いに身を投じていた。ある時ジャックは北リネージュでの任務で犯した些細なミスのせいでヴァルチャーの切れ者、ガスコイン少佐の罠に嵌められてしまう。ジャックの窮地を救ったのは武装地下組織ローグだった。ローグ団長カミラの語る目的はオルキアの独立。敵は南北の両政府だという。ジャックは旧オルキア軍AC《オーガ》乗りの少女リザとの交流を通じてローグに協力することになる。それは同時に、オルキア人でかつ南の軍人である弟アルフレッドとの対立を意味していた。
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