第1話『コールドスティール1981』

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マクバード「はっ、はっ……ジャックか……」    マクバード、荒い息を落ち着けようと胸を押さえる。 マクバード「はっ……助けに来てくれたのか?」    ジャック、答えずに部屋を開けて入り、マクバードも入るよう目で促す。 ジャック「休んでおけ。俺はほとぼりが冷めたら南に戻る」 マクバード「……ああ」    マクバード、硬い表情でジャックと目を合わせず、ゆっくりと部屋に入っていく。    ジャック、マクバードが自分の前を過ぎるとき、静かにサイレンサー付き拳銃を持ち上げる。    マクバード、反射的に右腕を跳ね上げる。腕はジャックの腕に当たり、銃弾はマクバードの髪を掠めて天井にめり込む。 マクバード「ッッ!」    マクバード、引きつった顔で声にならない叫び。抵抗しようと身体をジャックへ向けようとする。    ジャック、銃を持っていない左腕でマクバードのみぞおちを突く。マクバードがうめいて動きを止めた隙にこめかみを撃ち抜く。    仰向けに倒れるマクバード。    ジャック、その場で懐からディスクケースを落とし、踏み砕く。サイレンサーを外した銃をマクバードに握らせる。    マクバードの瞼を閉ざす。懐を探ってディスクケースを抜き去る。     
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