第1話『コールドスティール1981』

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   赤いクロスシート。ジャックの前方に身なりのいい紳士が二人。車両の前後入口には北軍の兵士。    走り始めてしばらくして、紳士Aが口を開く。 紳士A「ローグを知っていますか」    ジャック、視線を紳士の方へ。 紳士B「……はて。新手のテロリストですかな」 紳士A「その手の輩です。巷で言うには南北の支配に抗うレジスタンスでして」    紳士A、声を落とす。が、ジャックにはまだ聞こえる大きさ。 紳士A「なんでもオルキアの独立を目論んでいるとか」 紳士B「それは大きく出ましたな。ヴァルチャーが黙ってはいないでしょう」 紳士A「南のUI7も血眼で探しているという噂が」    (次の駅が近いことを知らせるチャイム)    兵士が見回りのため歩いてくる。紳士たちの会話が途切れる。    ジャック、興味を失くして真っ暗な車窓に目を向ける。 ○南リネージュ・地下鉄駅・夕方    地下からの階段を上り、マンハンターが守る灰色の駅を離れるジャック。    駅の敷地のすぐ外は南側の華やかな街並み。日が暮れかけて、電灯が灯りつつある。    車線の多い道路には色とりどりの車が行き交い、道路脇には灯りに照らされたポーンが毅然と控えている。    すれ違う人の身なりは老若男女みな良く、表情も明るい。     
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