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ベイカー「お偉方と付き合いで飲むワインは疲れるからな。賑やかすぎるきらいはあるが、たまに来ると安酒も悪くない」
店主「今夜から値上げだな」
と言ってグラスをベイカーの前へ置く。
ベイカー「訂正だ。安い割にうまい」
アルフレッド、表情を和らげる。
ベイカー、グラスを掲げて軽く笑みを浮かべる。
アルフレッド、ベイカーに応じてグラスを上げる。
二人同時に、一口飲む。
ベイカー「ときにソフィアくんは元気か」
アルフレッド「妹は元気ですよ。学院寮の寮長が厳しいだのと、会う度に愚痴を聞かされます」
ベイカー「先週、街中で会ったよ。救民募金の手伝いだったのかな」
(回想)
通りを歩くベイカー、向かい側で募金活動をする男女5人ほどの中にソフィアを見つける。
アルフレッド「それは……」
アルフレッド、反応に困った顔。
ベイカー「慈善の精神は見上げたものだと私は思う。だがつい先日、街頭活動に規制が入ったばかりだ」
アルフレッド「逮捕された老人はオルキア独立を喧伝していたとか……ありえませんよ」
アルフレッドが目を伏せたのを、ベイカーは見ている。
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