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アルフレッド、床に落ちたおもちゃの拳銃を拾い、男たちのいたテーブルの、幾つかの椅子にかかった軍服の上着を見やる。呟く。
アルフレッド「軍人か」
男B、笑顔で受け取りに来るが、アルフレッドの厳しい表情を見て笑みを消す。
アルフレッド「ここは市井の人々も利用する場です。いたずらに平穏を脅かすようなことは、連合軍人として許してはおけない」
酒場全体が静まる。
男Bのいたテーブルの3人がアルフレッドを睨む。
固唾をのむ店主とベイカー。
男B、アルフレッドの顔をしげしげと眺めてから、不意にニヤリと笑う。
男B「あぁ、どっかで見たと思ったら……」
アルフレッド、眉をぴくりと動かす。
男B「聞いたか! オルキア人のアルフレッド・オブライエン少尉が連合軍人としての誇りを説いてくださるぞ!」
男A、C、D、低い声で笑いながら立ち、アルフレッドに近寄る。
立ち上がりかけたベイカーを、アルフレッドが後ろ手で制す。
アルフレッド「私がオルキア人であることは関係がない。軍紀の乱れを指摘することは子どもでもできる」
男A「二十歳やそこらで少尉とはさすが……そういや、もう一つの肩書は特選武官でしたか」
男C「あれだ、敗戦国の名誉のために作ったオルキア人枠ってやつだよ。出世は約束されてんの」
男D、口笛。
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