0人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は中に入り、促されるままに椅子に座る。
テーブルを挟んで向かいに相対したが、なんだか威圧感というか、凄みが強い人だなぁ、と思っていると、
「では」
どこから取り出したのか、壮麗の男性は、書類を取り出し、
「まずは面接ということで、基本的な質問から致します」
「はい」
そこからは、ほんとに基本的な面接で、事前にネットで調べて予習してきた内容でなんとかなった。
しかし、途中途中に、
「この世ならざるものを信じますか?」
「突然の出来事に対応できるタイプですか?」
「不思議な出来事に出会ったことはありますか?」
など、不思議な質問をされた。
俺はそれに対しても、普通に答えていく。
そして、あらかた質問が終わり、壮麗の男性は書類から目を離し、
「今の質問でだいたいわかりましたので、では、契約まで行っても構わないでしょうか?」
「え?はい?」
「いえ、ですので、今の段階で、あなたにはうちで働く素養があることが判明したので、採用させていただくことにしました」
「い、今ので大丈夫なんですか?」
「はい、大方は」
ニッコリと微笑んでくれたが、内心としては、あんまりホッとはしない。
でも、質問と言っても、不安なことはだいたいチラシに乗っていたし、この男の人だって、めちゃくちゃいい人そうだし……。
俺は結局、壮麗の男性の出した書類に、ある程度サインをしていく。
あまり多くない書類に目を通して、ある程度のサインが終わると、
「では、皇家で働く上で必要な、ご主人様へのお目通しを行います」
「お目通し?」
「はい、くれぐれも、粗相はないようにお願いします」
その言葉で、俺は気を引き締めながらも、不安を感じる。
こんな簡単にバイトに受かるものなのだろうか?
俺はその不安を解消出来ないまま、壮麗の男性についていく。
最初のコメントを投稿しよう!