【What are people thinking】

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 カップラーメンをすすりながら、かたやMRの説明書を読みつつ、さらには器用に一人言を交える桂井は、その夕食の最中に説明書を概括的に斜め読みしMRの大枠の仕組みは分かるようになり、どうやらカップラーメンを食べ終える頃にはMRの理解には溜飲を下げたようだった。  食後、空になったカップラーメンの器と不格好な割り箸を捨てると、とりあえずMRの説明書から目を離して、テレビのスイッチをつけた。三十二インチ液晶画面の中では、忙しく複数の芸能人がバラエティ番組で必死に自分のキャラをアピールしている。だが、桂井の頭の中ではその様子が頭に入ってこない。気にかかるはMRの事ばかり。桂井は目をテレビ画面から逸らし手首に巻いているMRに向ける。そして、鳥越を読心した時の事を顧みた。     
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