【What are people thinking】

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「じゃあ、ご馳走になります」  と返した。 と同時に桂井は、あ、家にカレーがまだ残っているんだ、と気づいたが、まあ、まだ賞味期限的には大丈夫だろうし、むしろより味が染みてウマくなるか、と考え直し、菅谷の飲みの誘いの流れに乗じた。 一方、そんな菅谷と桂井の意気揚々な様子を不思議そうに冴木は見ながら、お盆に乗せたお茶を乗せたままポツネンと佇んでいた。                    *  昨日は飲みすぎた。  桂井は菅谷からの昨晩の奢りの酒で二日酔い気味になり出社していた。昼間近くになっても頭痛が残る。一緒に飲んでいた菅谷の方はいつもと変わらずお調子者のノリで仕事をこなしている。一方、桂井はうつむき加減でこめかみを時折指で押さえながら、パソコンを操作している。と同時に昨晩の自分の行動を思い出そうとしていた。酔っぱらっていた時の自分の醜態は意外と過去に多い。  えーと、やっぱりあまり思い出せないなあ。家に帰って食わない残飯カレーを腐らせないために、鍋に火を通した事は覚えているけど、その後はテレビ見ながら寝落ちしてしまった気がする。     
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