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「深沢くん」
私が名前を呼ぶと深沢くんはびくりと肩を跳ねさせた。
「深沢くん、あのね。今深沢くんが言ってくれたこと、私、全部嬉しかったよ?」
「……え?」
「そんなふうに思ってもらってたことも、私のことを知りたいって言ってくれたことも、全部。だから私が嬉しいこと、教えてあげる」
「な、何?」
「私にも、深沢くんのことを教えてください」
「え?」
「それが、私が今されて嬉しいこと、かな」
深沢くんは一瞬きょとんとした顔をして、みるみる頬から顔全体に赤が広がっていく。きっと私も今、同じ色をしてるんだろうな。
「えっ、と。その、佐々木さんのことが、すきです」
「そっ、それはもう聞いたからっ!」
「えっ! あっ! ご、ごめんっ。えっと、あー、えー」
お互い顔真っ赤にしてわたわたしながら話してるのが、何だかちょっと面白い。
私も、深沢くんのこと、もっと知りたいです。
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