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あなたの子は愛らしく、我が身から生まれたことが信じられぬほどの命の漲りを感じました。
幸いに乳の出が豊かでしたので、乳母が入り用になることはなく、あなたに見守られながら子に乳を与える幸せは言葉に尽くせぬほどでした。
もしやこのまま幸せが続くのではないかと、思いはじめた頃。
あなたが子守の娘を連れて来ました。
年は十二か三と聞きましたが、咲きそめた花のような、思わず手折りたくなるような風情の見目好い娘です。
子は歩きまわるようになると乳を離れ、子守の娘によくなついて外へ遊びに連れ出されるようになりました。
あなたは子の離れた我が身を抱き寄せ、愛しく思うと睦言を口にしましたが、あまりに多くの戯れを見てきたために、信じるどころか疑いの心ばかりが育ち、あなたが去る夢ばかりみて枕を濡らすのでした。
桜の花はいよいよ白く、それを見るにつけ、我が身が子を孕むことはもう出来ぬのだと悟りました。
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