深更

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深更

今度こそはと、女を変える度に思ったものだ。 だが期待はいつも裏切られる。 どの女もつまらない。必ず飽きてしまう。 子をなしたなら飢えぬ程度に面倒はみるが通いはしない。 煩わしくなり打ち棄てた女もいた。 罪というなら罪であろう。 だが、ひと時の愉悦を求めたのはこちらばかりではない。 此方(こなた)が罪なら其方(そなた)もまた罪。 なぜ一方的に責められねばならぬのか。
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