0人が本棚に入れています
本棚に追加
私は、写真部に入部した。部員数が少ないが、運動会などでは裏方として活躍の場がある。父に買って貰ったカメラで撮影することにした。10人にも満たないこの写真部は、男子の方が多い。聞いた話によると、先輩が引退すると4人しかいない年があったそうだ。
とりあえず、カメラの解説や使い方から学ぶことにした。機械がわからない私に先輩が教えてくれる。なんだか訳がよくわからないが、今日の活動は終了して帰宅した。
次の日も6限目が終わったら部活動を始めた。まずは静止画を撮影することにした。花や校舎などなんでもいいから動いてない被写体を撮影するのだ。部室兼用の教室に戻って、先輩からアドバイスを受けた。花を綺麗に撮るのは案外難しいなと思ってる所に部長の解散する合図で帰宅した。
来る日も来る日も被写体のレベルを少しずつ上げながら撮影しては、先輩からアドバイスを受ける。同じクラスにいる男子が小学生みたいでどこか頼りない。それほど先輩が大人っぽくなって見える。1歳か2歳しか変わらないのに、10歳も年上に見える。私は、その先輩が来るとドキドキしてくる。「君は上手くなったね」と言ってくる先輩に対して、自分ではよくわからないまま解散の合図とともに帰宅した。
その頃から母から「何か良いことあったの?」と聞かれる。「別に何もないよ」と答えるけど、なんか嘘ついてるようで気が気でない。私が床につくと、母は私に気づかれないように学校から貰うプリントをチェックした。
最初のコメントを投稿しよう!