プラトニックラブ

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試合シーズンの後は期末試験がある。一旦部活動を停止して試験が行われた。先輩に会えないのは寂しいけど、試験が終わればまた会えると1週間耐え忍んだ。 試験が終わり、夏休みが来た。小学生の自由研究みたいに写真部は写真を夏休み明けに作品を提出するのが課題となっている。その中から作品展に応募するのだ。 片思いの私には、先輩と会えないのが悲しい。それでも、両親と一緒に行った旅先での撮影や高校野球の試合など撮影スポットを見つけてはシャッターを切った。 夏休みが終わり、始業式の日が来た。全校集会で並ぶ上級生の中に久しぶりに見る先輩を見つけた。先輩の顔は日焼けしていた。 ホームルームが終わり、部室へ行って全員で写真を提出した。先輩の顔が焼けているのは、山やビーチへ出かけたからである。相変わらず撮り方が上手い先輩にドキドキする私は、自分で撮った写真が恥ずかしかった。とりあえず、全員が撮った写真は部長が預かり、みんなは撮影に出かけて時間が来ると解散した。相変わらず私に余計な口をきかない先輩の背中を見て、寂しさを感じながら家に帰った。 この秋は次々と予定が入ってきた。運動会・学習発表会・新人大会の撮影に加えて写真コンテストに出場した。運動部の活躍は、写真部にとっても花道でもある。私たちが撮った写真は新聞部の記事や単作品として廊下に貼り出された。     
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