プラトニックラブ

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2年生になり、私たちは新入生を迎える日が来た。部員の勧誘も私の仕事である。新入生のうちから6人が新たに加わった。少しお姉さんになり、右も左もわからない新入りに教える。先輩とは大違いだが、彼らからすれば「先生」である私は、ありったけの知恵を絞るしかない。「去年の私もこうだったのかなぁ」と思いながら、モタモタする新入りを眺めた。 そのうちに、私は先輩と呼ばれるのに慣れてきた。その言葉には、憧れの人であるのかは私にはわからない。もしかしたら、陰で私をボロクソに言っているかもしれない。表面的でも先輩と呼ばれると気持ちいい。私は、声をかけた子に返答をすることに努めた。 去年と同じスケジュールの中、夏休みを迎えた。今年も、両親と共に家族旅行に行くと写真を撮った。父のアドバイスを受けながら、写真展に出品するに相応しい作品を作り、旅行から帰った。旅行中も国語・英語・数学のドリルを携えてきたので、勉強の遅れはなかった。 晴耕雨読の夏休みは瞬く間に過ぎて、夏休み中に撮った写真を提出して2学期に臨んだ。今年も最優秀賞には届かなかった。「私は先輩とは大違いだ」と苦笑いしながらも、次の課題に取り組んだ。 そして、3年生が引退し、2年生から役員を選出することにした。部長は男子がなった。会計は私が担当した。それからは、電卓を持ってその仕事に取り組むことになった。     
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