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何事もなく数日が過ぎたころ、ふと気付いた。
家の真ん中にある仏間から、縁側につながる障子。下半分は磨りガラスになっているそれが、いつも20センチくらい開いている。掃除のとき閉め忘れたかと、気を付けるようにしたのだが、ふと目をやると必ず開いている。
何回か繰り返すうちに、思った。……この隙間、ちょうど小さい子供が出入りするくらいの幅じゃないか?
ーーこれはもうひとり、見えない誰かが住んでるかな。
それならまあ、先住民の方にも都合があるだろうーーと、そのままにしておくことにした。
ただ、冬だけは閉めてくれると有難いな、と思っている。
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