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柱の傷が順調に数本増えた頃、ちょっと体調を崩した。
たぶんストレスと過労だ。職場のトラブル対処で忙しく、家族や友人に心配させたくなくて一人で抱え込んだ結果、根を詰めすぎたのだろう。
熱でものを食べる気力もなくうつらうつらしていたら、誰かが枕元に座った。すわ家族にばれたか、と起き上がろうとしたところ、
……ぽふ。
額に乗った小さな手のひらが、頭を枕に押し戻した。ついでにぽんぽんと、胸の上を軽く叩いてくる。ああ、いい子だねんねしな、ってことか……
そのまま熟睡して目覚めたら、枕元に水が置いてあって助かった。熱も下がっている。
後日確かめたところ、友人どころか家族ですら、自分が寝付いていることを知らなかったらしい。
ーー牛乳のお返し、かな?
何となくそう思ったので、元気になってからはお菓子も供えるようにした。気に入ってくれるといいのだが。
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