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「ーーえ、コロッケってツナ入れるっけ?」
「うん、うちのおふくろがよく作ってくれたんだ。ツナとタマネギとコーンをカレー粉で炒めて、ジャガイモに混ぜるやつ」
そういや他所では聞かないなぁ、と、小説のネタに体験談を聞かせてくれた相手は頭をかいた。なんだそれ、おいしそう。
彼は私の物書きシュミを知る友人の中で、さらに数少ない同年代の男性である。のほほんとした穏やかな人柄で誰からも好かれるが、まさか人間以外からも好かれているとは。
「ていうかその子、座敷童かもしれないよ。大事にしてあげたらいいことあるかも」
「いてくれるだけで十分だけどなぁ。これからもずっと住みたいし、嫁さんはそういうの大丈夫な人を探さないとな」
うんうん、ごく自然にそう思えるところが優しいな。しかし見えない同居人の存在に、ビビらないどころかあっさり受け入れて共存してしまってるあたり、実は結構大物なのかもしれない。
何はともあれ、仲良きことは美しきかな。そんなことを思いつつ、のんびりとお茶を楽しんだ私だった。
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