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祖母にもらったばかりの英語のテキストを思い浮かべた。
よく考えるとテキストは持っているのだが、まだ教わっていなかったと思い直し、
少女は日本語で、「…こんにちは…」と、自信なげに小さな声で言った。
「やあ、こんにちは!
どうしたの?
泣いてたの?
迷子になっちゃったの?」
少女は混乱した。
少年の発した言葉は日本語なのだろうが外国語のように聞こえたのだ。
あまりにも早口で、そして厳しい方言が邪魔をした。
そして何よりも、少女のドキドキという心臓の音が全身に響き渡っていた。
この胸のときめきがその声をさらに聞こえ辛いものにしてしまっていた。
「…あのぉー、もう少し、ゆっくりと…」
少女は申し訳なさそうに少年に言った。
「あー、そうだったそうだった。
街に出ると、何言ってるのかわかんないって言われたことあったから、
ゆっくり話すことにしたんだった。
…これくらいで、大丈夫かな?」
「…うん、ありがと。
ちゃんと理解してくれてよかったわっ!」
少年は理解と言う言葉の意味がよくわからなかったようで、首をかしげた。
少女は13才なので、この程度の言葉の意味は知っている。
そして少女は、少年の年齢にあわせて話をすることに決めたようだ。
「ねえ、なんでもいいの。
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