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「東に人間、北に魔族、西に亜人…南には何がいるんだ?」
説明の中で省かれていた南側を尋ねる
おそらくは別の新しい種族がいるのか、例えば精霊とか
だが
「魔王」
と。リリエルは短く一言だけそう答えた
「魔王ってあの『魔王』か?ゲームとかのラスボスにいる…」
「そッスね、大体合ってます
アレを倒したらハッピーエンドが待ってるヤツです」
「なるほどな。それで『勇者』として転生…」
つまり、南の方にいる『魔王』を倒すことが最終目標。
勇者として転生した自分が戦うという展開…
「…て、まてよ。力を使い放題ならあっという間に
終わるんじゃないか?サポートもあるし」
「ああ…えっと」
「それとも条件とかあるのか?
誰かを連れてこないとダメとか、道具が必要とか」
「あのー…貴司さん?」
「ん?ああ、なんだ?」
「あー…そのーですね、なんと申し上げるべきでしょうか
お伝えしづらいというか、話づらいというか」
リリエルがなんかおかしい。
いや、おかしいのは元々だが
変によそよそしい。気弱な感じが反って不気味に映る
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