不手際と諦めと ①

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両手両膝を地面に密着させ リリエルは深々と頭を下げる 額に土がくっつくほどにそれはもう深かった。 俗に言う「土下座」の姿勢である 土下座をする年端の行かぬ少女と呆れ返る少年との二人の図 事情の知らぬ第三者が見れば少年が少女を跪かせてるという もの凄い絵面に見えるだろう 「面目次第もございませぬ…かくなる上は腹を切って」 「介錯は任せろ」 「すんませんッしたぁぁ!!」 わりと本気な謝罪の叫びだった。 天使でも腹が割ければマズイのかもしれない 「冗談はさておき…その欠片?を集めるまで普通の人間か…何個集めれば使えるようになるんだ?」 「押忍。力自体は1個でも使えるんスけど ただ、1個1個は弱いんで相当数集めないといけないッス」 「具体的には?」 「押忍。多分100個もあれば良い感じになると思うッス」 「100個か…全世界で100個は少ないような、そうでもないような…それでも見つけるのは大変そうだ… 天使の力で戻せたりはできないのか?」 「押忍。無理です。欠片は不安定な力の奔流です 呼び出そうと思えばあらぬ方向に行くッス、もしくはそれこそ自壊するかもしれないッス」 「つまり、地道に探すしかないってことか…」 「押忍。当面の目標は欠片集めッス?」 「…になるよなあ。普通の人間が魔王と戦ってもまず勝てないだろうし。あとその体育系みたいな挨拶いらない」 「うっす」
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