優しい外れ者

【いつもの朝】

時計を見るととっくに８時を超えている。もちろん今日は祝日でも土日でもない。
週の真ん中水曜日。それでも私もお母さんも慌てる様子は微塵もない。
気楽におはよー、と挨拶をすれば「目玉焼き？スクランブルエッグ？」と返ってきたので
「オムレツ食べたい」料理の上手いお母さんに作れない料理はないからリクエスト。
返事は「はいはい、先に紅茶飲んでなさい」だった。
紅茶を淹れて食パンをトースターに入れる。
３分もすれば香ばしい香りがして、オムレツと一緒に食べられるだろう。
「お母さん、今日出かけるね」
「今日も、でしょ。真理はどんな天気でも撮りに行くことをお母さんは知ってます」
二人で笑っているとチン、と音がしてトーストが出来た合図でちょうどオムレツも出来上がった。
さすがお母さん、時間配分完璧。
オムレツは優しい味付けで、ボイルしたハーブ入りウインナーも美味しかった。
食べ終わった食器は自分で洗うのがルール。ピカピカにカップとお皿を洗いあげたらあとはカメラを持って出かけるだけ。