455人が本棚に入れています
本棚に追加
明石焼きより先に、メロンのかき氷が目の前におかれた。
雪山を彷彿させる、たっぷりの柔らかな白い氷の上にかかっている、緑色のメロンのシロップは、涼し気である。何となく他のシロップよりも爽やかなイメージだ。
一口頬張ると、柔らかな雪の食感がゆっくり口の中に広がる。幼い頃大雪が珍しく積もった時、冬にその積もった雪を、口に頬張った事があった。
そのしゃりしゃりした食感もあり、ふんわりとした食感もある。メロンの甘い味が後ろから、じんわり味がしみる。しゅっと口の中で柔らかな氷は溶ける。メロンソーダに近い味だ。
(うーん、おいしい)
口の中で、夏特有のおいしさを噛みしめながら、ファッション誌のページをめくった。
(あ!)
私はまた、違う意味で目を輝かせた。
最初のコメントを投稿しよう!