エピローグ

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 『レベルが100になりました』  この画面を何回見ただろうか。深夜二時に電気もつけていない。周りには乱雑にポテチの袋が床に落ちている。 もうすぐ学校に行かなくてはいけないのに。そんな中で成し遂げられたちっぽけな偉業は僕の心に訴えてくることはなかった。  何をしているのだろう。仲間一覧にはレベル100の仲間で埋め尽くされている。 五年前に「仲間をクリエイト!自分だけのパーティーを作ろう!」といううたい文句で発売されていたゲームだ。発売日に買って僕は今までやっていた。  五年前は仲間を作れることが革命的であった。 髪、肌、顔などの見た目はもちろん、性格まで創ることができる。 作れる仲間が最大十人だったのは少ないと思ったが、やってみると十人だけでも充分なほど楽しめた。
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