エピローグ

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 でも友達を作る努力もしてないから、望んでないと同じではないか。 結果が出なければやってないのと同じように、行動しなければ欲してないのと同じじゃないか。所詮そんな程度でしか思ってないんだよ僕は。  時計はあわてて時間を合わせているのか、秒針が心なしか早い。 二時半。もう寝ようか。寝る気も出ないが、他にやることもない。 データファイルを選んで上書きする。 「上書きしますか?」 はい。 「前のデータが消えてしまいますがよろしいでしょうか?」 はい。いっそのこと、この現実も消してくれよ。 「セーブが完了しました。何かを変えたいと思いますか?」 ゲームの仕様が変わったのかな、と思った。 はい。 「このゲームを始めからやり直しますか?」 どうせもうすぐ売るだろうから暇つぶしに、と思った。 はい。 「ついでに世界を変えます。メモリーカードはさしたまま抜かないでください」 ついで、それで世界が変えられるなら、恐らくその世界はとても幸福な世界なのだろう。 僕はそのままその画面を見て寝てしまった。
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