エピローグ

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目を覚ました時、時間は九時を過ぎていて遅刻は確定していた。 頭が激しく痛い。 長い夢を見ていた気がする。 朝日がレースを突き抜けて僕の部屋に充満している。 世界は何も変わってなんかいなかった。ニュースでは物騒な事件について報道されていて、外では小鳥が鳴いている。 桜が満開の綺麗でどこにでもある景色がある。世界は何も変わってはいない。 昨日まではこの景色を綺麗とは思わなかった気がする。 僕がそこまでしっかりと見ていなかったのかもしれない。 ただそんなことよりも僕が驚いているのは、僕は今何かを失ったと確信して泣いていることだ。
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