先生のヒミツ。

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だが負けない。 このチャンスを逃すとなかなか 2人きりになれないし 話が出来ないわ。 「じゃあ、いいもん。 私が関西弁を使って話すから」 「はぁっ?お前……何を言っているんだ?」 さらに呆れたように言ってくる 伊藤先生。 私は、そんな先生にお構いなしに 窓の外を見た。 賑やかなに部活をやっている 生徒の声が聞こえてきた。 運動部のかけ声やグランドを走る音。 そして吹奏楽部の演奏。 「先生は、どうして関西弁を隠すのねんの? 奈良県だって素敵……やんねんで」 うっ……なかなか難しい。 上手く関西弁で伝えにくい。 「下手くそ……」 先生は、ぽつりと言った。 ムッ 仕方がないじゃない。 私は、標準語しか話せない東京人なんだから。
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