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プロローグ
昔、この島は一つの国だったらしい。……らしいというのは、資料となる文献は全て灰と化してしまい人伝にしか情報が残っていないからだ。一つの国全都を揺るがすほどの大震災が起こり、国は東と西に分断をされた。資源、食料、生きるため全ての取り合い。戦争が起こるのは必然のことで、資源を食い潰しながら国は進化した。
二つの国の人口が半分以上減った頃には、石油も石炭も、全てのエネルギー源が底を尽きた。
終わらない戦いに、東の国では新たな兵器が作られた。
初期型は全長二メートルほどの人型戦闘機。エネルギーの最適配分により、現在は三メートル以上がデフォルトとなっている。
戦闘機のエネルギー源は、平和な世の中から長年研究されていたものだった。
――人間の生命だ。
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