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気が済むまで彼の事を想ったわたしは、静かにまた歩き始める。
そうだ。
体も、場所も、彼と関わりのあるもので、
手に触れることが出来るものは何一つなくなってしまった私たちだけれど・・・
会いたくなったらまた空を見上げよう。
そしてほんのまた僅か、彼に会おう。
そう心に決め私の足取りは、さっきよりもほんのわずかすこしだけ軽い。
この先私はきっと、空が綺麗な程また泣いてしまうんだろう。
彼のことが恋しくて、淋しくて、泣いてしまうんだろう。
だけどそんな歩行と一休みを繰り返したその先に
何十回
いや何百回何千回繰り返したその先に
私が死んで彼と会える日が来るのなら、それもまた
悪くないのかもしれない。
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