34人が本棚に入れています
本棚に追加
そう前を向いた私の目に飛び込んできたのは、
日本水仙の黄色だった。
良い香り―――
去年アパートの自室の前に植えた球根が花を可憐な花を咲かせている。
そうだ部屋に飾ろう。彼へ手向ける意味も込めて・・・
私は根元から手折って、自室に持ち帰る。
彼亡き後も、私の感情なんかお構いなしに人生は続いていっている。
花を花瓶に入れながら、私は思う。
21歳この先、人生がどうなっていくか分からないけれど・・・
それでも
それでも彼は、もう私の一部になっている。
私は、彼の思い出と共に生きていくーーー。
<終わり>
最初のコメントを投稿しよう!