永井ネルの場合

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そう前を向いた私の目に飛び込んできたのは、 日本水仙の黄色だった。 良い香り――― 去年アパートの自室の前に植えた球根が花を可憐な花を咲かせている。 そうだ部屋に飾ろう。彼へ手向ける意味も込めて・・・ 私は根元から手折って、自室に持ち帰る。 彼亡き後も、私の感情なんかお構いなしに人生は続いていっている。 花を花瓶に入れながら、私は思う。 21歳この先、人生がどうなっていくか分からないけれど・・・ それでも それでも彼は、もう私の一部になっている。 私は、彼の思い出と共に生きていくーーー。 <終わり>
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