永井ネルの場合

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彼が亡くなった事を知ったのは彼がなくなってから暫く経った後で 彼のお葬式が済んだのを知ったのは、それから更にもっと後だった。 1年と数ヶ月付き合っていて、彼のことを何でも知っているような気になっていたけれど 所詮はそれまでの関係だったみたいだ。 彼のご両親へ挨拶もした事が無かった私は、 大学から遠くはなれた彼の地元でひっそりと行われたお葬式も知らされず もちろんお墓の場所も知らされなかった。 お墓の場所を知らないということは、彼を想って何かの前で手を合わせることすら叶わないという意味だ。 付き合うという関係が そんなに首の皮一枚で繋がっているような状態だったことを、 それが分からないほどに浮かれていたことを、 突きつけられてしまってつらい。と、今更ながらに思う。 でもそれ以上に思うのは、 手を合わせることすら許されないのがつらくて もう二度と会えないことが辛くて 私はこうして時たま空を見上げてしまうのかもしれない。 彼に会えるような気がして―――
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