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   ぼくはいつもママとお風呂に入る。ママがいないと1人で頭も体もまだ洗えない。  そしていつも湯船につかって、大好きな船で遊んでいる。お湯を海のように波立たせてみたら、浮かべた船がまるで本物みたいに揺れる。それがかっこよくて大好き。 「まーくんは将来船長さんになるのかな?」 「うん! この船みたいなのをそうじゅうして、大好きなひとをのせて、はこんであげるんだー」 「素敵ね、ママも乗せてくれるかしら?」 「……いいよ!」  ざぶんざぶんとお風呂のお湯をゆらす。  びちゃんびちゃんと壁に当たって、まるで大きな波しぶきみたい。  でも……。  ぼくはまたウソをついた。
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