6人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
***
「ちょっと待ってよ! 定員一名なんでしょう? じゃあここは紅一点の私に譲ってちょうだい!」
「一番相応しくない奴が何言ってんだ? お前中身は女でも外見は完璧な男じゃねえか」
伊万里陽子が進み出ると、鋏勇次が即座に突っ込む。
「ひっどおい! 今時はニューハーフだって立派にやって行けるわ! あんたなんか何かあればすぐ暴力に訴えるくせに! ほとほとみんな迷惑してるのよ!」
「迷惑を掛けてるのは二人お互い様でしょ? ここは一番可愛い弟系キャラのボクに譲って欲しいなぁ」
そんな久谷拓巳に、今度は有田裕吾が思わず口を挟む。
「いや、弟系キャラって……お前が一番外見に合ってないキャラしてるんだけど」
「ええっ! そんな……! 有田さんの知的キャラだって似たようなもんだよ? 見た目はどう見ても筋肉バカなのに!」
「何を言う。それもお互い様だろう」
三つ巴ならぬ四つ巴となった。
それぞれの意見の主張で、どんどんと収拾が付かなくなって来ている。
最初のコメントを投稿しよう!