6人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
そんな中、清水陸斗は空間の隅で一人呆然とその様を眺めていた。
気弱な自分はその輪の中にすら入って行けない。
強そうなのは外見だけで、心は生まれたての子猫のようにか弱い……いや、子猫の方がきっと逞しいに違いない。
元々ここは自分だけの居場所だった筈なのに。
どうして赤の他人がどんどんと上がり込んで来たのか、未だ全く見当がつかずにいる。
この数年、四人に対して何も言えずに、ただずるずると生きて来た。
お陰で様々な人脈に巻き込まれ、今の自分の生活は支離滅裂だ。
さっきの発言だってかなりの勇気を持っての事だったのだが、まさかこんな大事に発展してしまうとは……
「ちょっと、そこの清水陸斗ぉ!」
突然の伊万里陽子からの指名。
「はいいいいっ!!」
思わず姿勢をぴんと正して清水陸斗は飛び上がった。
最初のコメントを投稿しよう!