プロローグ

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 マジ有り得ねえ。何が私に近付く為なんだよ? あの二人、上手くいってると思ってたんだけどな。バカ西、本当最低な奴。  私は今日、茜の家にお見舞いに行くつもりだったから、そん時にバカ西の事を言うべきか悩んだ。言った方が良いのは当然だけど、茜を傷つけたくない。何て言えば良いんだよ?  あれこれと考えながら歩いてたら、いつの間にか家の近所の公園まで来ていた。学校から家まで徒歩五分の距離だから、考え事してたらあっという間だ。  ちなみに茜の家はこの公園を通り抜けた先にある。  この距離で小学校が違うのは、私が去年の十二月から一人暮らしを始めたから。  私はぼんやりと茜の事を考えながら目の前の公園を眺める。  しっかしこの公園、いつ見ても寂れてるっつーか、公園としての機能を果たしてねえよな。  なにしろ遊具がブランコと滑り台しかない。だから私みたいに公園ってよりショートカットコースと認識してる奴の方が多いんじゃないだろうか。  そんな事を考えながら、制服のポケットから携帯を取り出す。  もし行った時寝てたら悪いし、行く前にメールしておこうと思ったからだ。まあ、お見舞いでバカ西の話する方が微妙だけど。それは茜の様子を見て判断するか。
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