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「上手く話せないんじゃなくて、上手くごまかせないの間違いじゃねえの?」
また誰かが何か言ってんよ。
「黙れ」
私はそいつの事を睨みつけ、そのまま教室を出た。
このままフケるか、とも思ったけど、茜と約束したんだから昼休みまでは居なきゃマズイって事に気付いて屋上に向かった。
今日は、よく晴れてて真夏並の暑さ。午前中は、ここで寝て過ごすつもりで来た私には、あまり好ましくない天気だ。
私はボーッと空を眺めながら、これからの事を考えた。
はあ。しっかし茜に何て言おうかな。何とか傷つけないように伝えたい。
そして何より、信じてもらいたかった。茜にだけは。
他の奴らが何を言おうと何を思おうと、どうでも良い。私にとって一番大事なのは茜だから。
茜にさえ信じてもらえればそれで良い。茜さえ笑っててくれればそれで良いんだから。
* * *
あれ? 私、いつの間に寝たんだ? この暑さでよく寝れたな。まっ、寝不足だったかんなぁ。
気がついた時は、太陽はほぼ真上に昇っていて、辺りが段々と騒がしくなってきた。
私は携帯で時間を確認する。
――って、昼休みじゃん!
私は急いで教室に戻る。電話しようと思ったけど、まだ着拒したままだろうと思って、かけるのをやめた。
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