優しい真実

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「美咲、お客さんだよ?」  考え事をしていた私は、一瞬反応が遅れて茜に促される。  こんな時、普段なら秀人には時間を改めてもらうけど、この場に秀人が居た方が上手く話が進む気がして、敢えて秀人を部屋に上げる事にした。  実際、秀人は昔からトラブった時に話を纏めるのが上手い。小学校の時も、何度か場を取り繕っていたのを覚えている。  考えてみりゃ、月曜から秀人も同じ学校通うんだよな。我ながら名案だ。 「茜、唯。悪いけど、もう一人増えるから」  私は二人の返事も確認しないで玄関に向かう。  鍵を開ける前に来訪者を確認すると、予想通り秀人だった。 「やっぱ秀人か。上がって」  私はドアを開けて中に入るように促す。 「おう。んじゃ、お邪魔しま……って、えっ? あーっと。その、こんにちは」  秀人は洗面所から顔を出している茜に気付いたようで、話を中断して茜に挨拶をした。 「美咲。お前、友達来てんなら言えよ。俺、出直すから」  私に向き直り、脱ぎかけた靴を履き直しながら言う秀人。
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