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「やっぱり、そう……、だよね。美咲があんな噂みたいな事する訳ない。ちょっと考えれば分かる事なのに……。なのに私、美咲を信用しないで本当に酷い事しちゃった」
茜は言いながら思い詰めたように唇を噛み締める。
どうやら茜は、私の話を聞く前からある程度予想していたらしい。だからこそ、自責の念からここまで落ち込んでるんだろう。
私にとってはそれだけで充分だった。確かに一度は誤解されたけど、やっぱり茜は私の事を分かってくれてたんだから。
まあ昨日は訳も分からずキレられて着拒されて……、柄にもなくマジでショック受けたけどさ。理由も分かったんだし、いちいち咎める必要もない。茜にも本当の事話せた訳だし。
だから私は、自分の気持ちもそのまま伝える事にした。
「茜。私は茜の事、本当に心の許せる親友だと思ってるよ。だから茜に信用されなかった事で、傷ついてないっつったら嘘になるけどさ。でも、分かってくれたんならそれで良いし、もう気にしなくて良いよ」
暗い表情で私を見ていた茜は、フルフルッと首を横に振り、何も言わずに俯いた。
茜の頬を一筋の涙が伝う。
私は茜の隣に行き、そっと頭を撫でて優しく抱きしめた。茜の華奢な身体は、少しでも力を入れると簡単に壊れてしまいそうで、優しく、優しく抱きしめた。
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