1人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
屋上のドアを開けると、バカ西達は先に来ていて煙草を吹かしていた。
うちらが来た事に気付いたバカ西は、ニヤニヤした表情で立ち上がり煙草を足で揉み消す。
「おっ、よく逃げずに来たなぁ」
「感心感心」
立川も頷きながら立ち上がった。
私は周囲を見渡して他にツレが居ないか確認する。ふと秀人を見ると、同じように周囲を見渡していた。とりあえず見える範囲には他に人は居ないようだ。
秀人はバカ西に視線を移して口を開く。
「で、わざわざ呼び出して何?」
秀人の言葉に、バカ西は瞬間湯沸かし器のように一瞬にして顔を真っ赤にした。
「ああ? とぼけてんじゃねえよ。ナメてんのか、コラァ?」
そこに立川が割って入る。
「晃、まあ落ち着けや。そいつ面白そうだから俺にやらせろよ」
立川はバカ西の肩をポンポンッと二度叩いた。
つか、こいつは人の肩をポンポンッと叩くのが癖なのか? 今日何回目だよ。
「ちょっと待ってくれよ。俺、今日こいつに三発ももらってんだから、俺にもやらしてくんねえと納得いかねえんだけど」
バカ西は不満そうに立川を見る。
最初のコメントを投稿しよう!