4人が本棚に入れています
本棚に追加
茜との電話を切った後、バイトの準備をして昼メシの弁当を食ってバイトに向かった。
今まで昼ばっかだったから、勝手の違う夜の部では覚える事もかなり沢山。秀人と一緒に新人気分で仕事を教わった。
あっという間に零時を回り、忙しさも一旦落ち着いた頃、店長が声をかけてくる。
「二人ともありがとね。高校生をあんま遅くまで使う訳にはいかないから、今日は上がって。また明日もよろしくね。美咲ちゃん、掛け持ち無理そうだったら早めに教えて」
にっこり微笑む店長。
つか、高校生を夜の十時過ぎまで使う事自体マズイと思うけど。まあ、少しでも稼いどきたいから敢えて突っ込まないでおこう。
私も秀人も、店長に了承の返事をした後、他のスタッフにも「お先に失礼します」と言って休憩室に向かった。
すぐに帰り支度を整えて二人で休憩室を出る。
外に出ると、昼間とは違う爽やかな夜風が私の頬を撫でた。
私はふと空を見上げる。空には儚げに輝く満月が浮かんでいて、優しく微笑みかけているように見えた。
平日は香奈が居ないから、何のトラブルもなくバイトから帰る事が出来た訳だけど。香奈もアレで終わるとは思えねえから、土日に何かしら行動を起こしてくるだろうな。
はあ。しかし早く解決しねえと身体がもたねえよ。香奈が飽きてやめるまで、黙ってやられてるだけじゃ何の解決にもなんねえ。
かといって香奈に手え出す訳にはいかねえし、口で説得するしかないんだけど。それにはまず香奈の本心を聞きださねえとな。
最初のコメントを投稿しよう!