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駐車場に出ると、裏口が分かっていたらしい二人は建物の壁を背に私を待っていた。
「わりぃけど、あんま時間ねえからここで良いかな?」
私は、街灯に照らされて輝く仁美の金髪を眺めながら確認した。
「はい。すぐ終わるんで大丈夫です。あの、この前はすみませんでした」
仁美は突然、頭を下げて謝ってくる。
「へっ? な、なっ、何? 突然どうしたんだよ?」
仁美の真意が理解出来ず、思わず問い返した。
「本当すみません。詳しく話してると時間かかっちゃうんで単刀直入に言うと、土日って言うか香奈が居る日にバイトはずす事って出来ないですか?」
「いや、単刀直入にって言われても意味分かんねえんだけど。バイトははずす気ねえよ」
マジで意味が分かんねえ。突然謝ってきたかと思ったらバイトはずせないかって、一体こいつは何しに来たんだ?
「実は香奈、もう次は何しようかって計画立ててるんです。私、もうあんな事したくなくて……」
仁美は俯いて黙り込んだ。するとツレの女が仁美を慰めながら口を開く。ツレっつっても沙織ってのとは別の奴で小柄な女。
「貴女にこんな話するのは変だって分かってます。でも、仁美は香奈がこれ以上の事をする前に止めたいって思ってるんです。貴女の前にも被害者は居ました。なんとか土日はずせませんか?」
つか、止めたいなら私に言うんじゃなくて香奈に言うべきじゃねえのか?
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