光と影2

10/13
前へ
/13ページ
次へ
「わり。意味が分かんねえ」  私は早く主旨が知りたくて、結論を急かした。 「私が聞いたのは、あんたと神城くんと立川くんの三人、何人かで焼き入れるとかいう話が出てるって。私が同じ学校だったから、『こいつら知ってる?』みたいに聞かれただけだから、詳しい事は分かんないんだけど。ちなみに彼氏は行かないって。でも誰かは行くだろうってさ」  朱美は言葉に詰まりながらも、分かる範囲で説明してくれた。 「そうか。わざわざありがとな。気をつけるよ」  私はお礼を言ってその場から立ち去る。  しっかし、予想以上に厄介な事になりそうだな。恐らく首謀者はあのバカだろうけど。  教室に戻ると、秀人たちが不思議そうな顔でこっちを見てきた。  秀人や立川も関係ある事だし、黙ってる訳にもいかねえよな。 「あんさ、なんつーかその……。うちら三人、よく分かんねえけど狙われてんだってさ」  私は言われた事をそのまま報告する。 「は? 何でこの三人? あっ、あいつか。俺ら三人が共通して狙われるっつったら、あいつしか居ねえよな」  立川は納得して苦笑した。 「懲りねえ奴だな」  秀人も思わずといった様子で苦笑している。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加