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「まっ、来たら来たで返り討ちにしてやりゃ良いだろ。俺と秀人、んでもう一人は最強神谷だからな」
立川はニヤニヤした顔で私を見ている。
何でこいつはすぐそっちに持ってくんだ? そんなに人を最強に仕立て上げたいか? お前らに比べたら、私なんか足元にも及ばねえっつーの。
「ハハ。まあ、とにかく美咲、あんま単独行動すんなよ」
秀人は何気に気遣うような事を言ってくれた。
「ああ。気をつけるよ」
そうは言ったものの、やっぱり不安はあった。
一人で居る時ならまだしも、茜や唯と居る時に狙われたらと考えたら不安で仕方ない。私のせいで二人を危険に晒したら?
言いようのない不安に駆られた私は、この頃から茜や唯と自然に距離を置くようになった。
* * *
それから二日、何の波乱もなく静かに水曜の放課後を迎える。
当初は茜も含めた四人で遊ぶ予定だったが、当然茜にはキャンセルしてもらって三人で行く事になった。
どうせなら三人で居る時に来てくれないかという淡い期待も込められているのだが。
学校からの帰り際に見た、茜と唯の心配そうな表情が妙に脳裏に焼き付いた。
今は着替えをする為にひとまず家に向かっているところだ。
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