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「はい、これで二人減ったねえ。つか秀人それはちょっとやり過ぎじゃね? 手加減しなきゃ可哀相だろ。鼻血出してんぞ、そいつ」
立川は遊んでいるように楽しそうに笑う。
「いやいや、大樹がやったのも変わんねえじゃねえか。むしろお前がやった方のが酷えし。鼻、曲がっちゃってんぞ」
秀人は憐れむような瞳で倒れている男を見た。
「えっ、嘘。マジで?」
立川は驚いて男を覗き込む。
「何だよ、曲がってねえじゃねえか。ビックリさせんなよ」
立川は呆れたような表情で秀人を見て愚痴っている。
「ハハハ。冗談だよ」
立川の反応が余程面白かったのか、秀人は思わずといった様子で吹き出した。
つか、こいつら素で楽しんでねえか? さっきまで余分な事を考えて悩んでた私がバカみてえじゃん。
まあ良いや。とりあえず私もそろそろやろうかな。
そう思った矢先、今まで黙っていたもう一人の女が口を開いた。
「ねえ。あいつら見てると調子狂うからさ。こっちはこっちで始めようよ」
女は汚れを知らない純粋そうな瞳でニッコリと笑う。
すると太った女はさっきまでの勢いがなく、「そっ……、そうだね」と戸惑い気味に答えた。
秀人たちに爆笑されたのが相当堪えたのだろうか。
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