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私は、あわよくばNOと言って欲しいという期待を込めて二人を見たが、返ってきた答えはやはりYESだった。
「やるに決まってんだろ。ナメてんのか?」
太った女が立ち上がり、再び殴り掛かってくる。
しゃあねえ。手加減しながらやるか。
「もちろん私もやるよぉ」
もう一人の女も、相変わらずの爽やかな笑顔で同意した。
パッチリとした瞳に整った顔立ち。ほんのり茶色がかったサラサラのストレートヘア。黙ってれば可愛いんだけどな。もったいない。
「よそ見してんじゃねえよ」
もう一人の女に気を取られていたせいで、太った女の拳が眼前に迫って来ていた。
それでも充分に避ける事も流す事も出来るスピード。
私は左腕で受け流して、相手の左横っ腹に思い切り蹴りをぶち込んだ。
女は再び転倒する。
それを見届けてすぐに、また別の女が顔面目掛けて殴り掛かってきた。
私は左に避けながら、右の脇腹にパンチを入れる。
相手は「うっ」と呻き声を上げると、脇腹を押さえてしゃがみ込んだ。
また入れ替わりで太った女が立ち上がり、パンチの体勢に入る。
私はそれを避けながら、カウンターで鳩尾に膝を入れた。
そして相手が腹に手を当てて前のめりになったところで、背中にエルボーを振り下ろす。
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