光と影3

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 マンションに着き、秀人の部屋の前で鍵が開けられるのを待っている私と立川。 「そういや秀人の部屋入んの初めてなんだよな」  私は自分の部屋と同じ造りのドアを眺めながら呟いた。 「ああ、そういやそだな」  秀人は鍵を開けたドアを開く。 「えっ、何? お前ら隣に住んでて部屋入んの初めてな訳?」  立川が驚いた様子で口を挟む。 「まあ、いつも美咲の部屋ばっかだったしな」  秀人は一番最後に部屋に入り、玄関の鍵を閉めた。 「へえ。俺も秀人の部屋泊まれない時は美咲の部屋に行こうかな」  立川は何故かニヤニヤして秀人を見ている。 「アホか」  私は苦笑いで一言だけ返した。 「何で秀人は良くて俺はダメなんだよ。俺も美咲の手料理食いてえな」  立川は相変わらずニヤついている。  秀人はと言えば、興味なさそうに無言でリビングの前まで歩いて行ってしまった。 「秀人も来んなら良いよ」  何となく秀人の行動に寂しさを覚えた私は、思わずそんな事を口走ってしまう。  しかし言ってから後悔した。立川はニヤニヤした表情のまま私を見つめているし、秀人は振り返って目を丸くして私を見ている。 「かぁー。お前ら分かりやすッ。マジ付き合っちまえば良いのに。戦闘民族のお二人は、意外に奥手なんですなぁ」  立川は笑いながら妙な事を口走り、一人納得したように頷いていた。
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